排熱利用を活用した高効率の発電システムとは

排熱利用を活用した高効率の発電システムとは

日本では複数の種類の方法で電気が作られていて、最近は太陽光発電などの自然エネルギーの割合が増えています。

それでも火力発電が全体の7割以上を占めており、石炭や天然ガスを燃料としています。昔は化石燃料を燃焼させて得られる熱で水蒸気をつくり、タービンを回して発電する汽力発電が用いられていました。この方法だと得られるエネルギーのうち電気に変換が可能な割合(発電効率)が2~3割と低く、大半の熱が捨てられるというデメリットがあります。これに対して現在は排熱利用によるコージェネレーションシステムが実用化され、高効率の火力発電が可能になりました。コージェネレーションシステムを用いた発電の仕組みですが、最初に石炭ガスや天然ガスを燃焼させてガスタービンエンジンを駆動します。

ガスタービンエンジンから排出される高温の排気ガスを用いて水を加熱し、高圧の水蒸気を作ります。エンジンの排熱で作られた水蒸気を用いて汽力発電を行う方法で、排熱利用をすることが可能になります。排熱利用により2段階で発電を行うので、従来よりも高効率で発電が可能です。コージェネレーションシステムによって火力発電の効率が大幅に向上し、最高で50%近くに達するほどです。従来と比較すると、同じ電力を得るのに必要な燃料が半分で済むことになります。排熱利用によって発電のために必要な化石燃料の消費量を減らすことができるので、二酸化炭素の排出量削減にも貢献します。