ボイラー内部には水があり、その水を沸かして熱を発生させてタービンの回転や発電機で使うこともありますし、熱を作り出す装置なので暖房器具で使うこともできる装置です。

水を沸かすとカルシウムや炭酸塩などの固形物が内部に付着することになるのですが、これらの固形物は洗浄しても落とすことができないもの、頑固にこびり付いてしまいます。長く水道を使っていると白い塩素の塊が付着して掃除をしても取り除くことができない、これと同じような症状がボイラー内部で生じてしまうわけです。

水栓金具のハンドル部分などに塩素の塊が生じるとやがてハンドルが回らなくなるなどのトラブルが起きることもありますが、ボイラーの場合は故障や運転の効率を悪くしてしまうなどのデメリットに繋がることもあります。この固定物のことをスケールと呼ぶのですが、スケールを取り除く薬品のことをデスケーラーと呼びます。

デスケーラーは強力な酸性の薬品なので、金属腐食を引き起こしやすいのがデメリットでしたが最近は改良が加えられており金属腐食のリスクは少ない、しかも洗浄までの時間が短くなっているので安心してスケール除去に使えます。強力な酸と聞いたとき、硫酸や塩酸などの劇薬をイメージされる人も多いのではないでしょうか。これらの薬品は素手で触ることはできませんし金属を溶かしてしまう恐ろしい薬品です。デスケーラーは手に付着しても洗い流せば良いものも登場しているといいます。